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【意外と簡単!】低温調理器入門

ご訪問ありがとうございます。

ポポンデッタです。

 

コロナ感染者数も急激に増加し、おうち時間を充実される方法がますます重要になってきます。

本日は私が愛用している低温調理器をご紹介します。

つまみのレパートリーが増え、おうち時間がレベルアップします。

なにより、とってもおいしい!

 

商品リンクは最後に貼ります。

 

 

低温調理とは

低温調理に関する細かいことは、世の中にたくさん情報があるので割愛するとして、

一番重要なのは食中毒に対する知識になるでしょう。

(最初からいろいろ割愛して、記事の省エネ)

 

食材ごとに正しい加熱時間を選定してあげれば、

中心部までしっかりと熱を加えつつ、熱を加えすぎないという素晴らしいことが出来るのが、この低温調理器になります。

 

基本的には食中毒の指標菌に対し、殺菌の 温度×時間 を定めます。

「菌」といって聞きなじみのあるのは「大腸菌」などかなと思いますが、

鶏肉や豚肉の食中毒のリスクを考えるなら「サルモネラ菌」「カンピロバクター」など、どの菌を死滅させるために、どの温度でどのくらいの時間調理するかを決めます。

細かく言うと、

 ・肉の種類は何なのか

 ・肉の厚さはどの程度か

等も考慮する必要があります。

 

私は食品会社に勤めており、食品衛生学の講師をする機会もありますので、

どの菌がどのようなリスクを持っているのか、少しだけ知見があります。

 

しかし、

 「そんなこと言われたってわからないよ!」

と思う方が多くいらっしゃると思います。

 

ご安心を。

世の中の頭の良い方達が、色々と温度と時間を検証しており、

安全なレシピが山ほどあります。

それをそのまま利用すれば問題ありません。

低温調理研究家は 世の中に溢れています。

 

便利な世の中ですね。

 

私が言いたいのは、

明らかにやばそうなレシピは避けてください。

ということです。

 

専門家の方もたくさんいらっしゃいますが、

「低温調理した風の生レバー食べたい!」

という、ほぼ素人の方もたくさんいますので。 

(私もレバ刺しがとても好きでしたが。)

 

あまりに危険な記事は削除を求められることもあるようですが、

「いやー、これ明らかに生の豚肉じゃん」

「内臓(レバー、ハツなど)なのにそんな短時間で大丈夫・・・?」

というリスクに気付くことさえできれば、低温調理は楽勝です。

 

低温調理の特徴

低温調理の何がすごいかというと、

タンパク質が変性しない温度、かつ殺菌できる温度を簡単に維持できることです。

タンパク質の種類にもよりますが、大体60~65℃で変性し、

細胞中の水分が出てきてしまいます。

肉に火を通すと赤い色から茶色になるのも、ミオグロビンというタンパク質が変性(酸化を伴う)している結果です。

 

タンパク質が変性しない温度=細胞中の水分が逃げない=ジューシー

と、こうなるわけですね。

 

しかし、いくら「タンパク質が変性しない」といっても、

低温であっても長時間熱をかけ続けると、時間の経過と共にだんだんと水分が出てしまうので、ジューシーさは失われる方向になります。

 

ここが低温調理の奥が深いところで、

 ・安全な温度、時間を見つける

だけではなく

 ・自分の好きな食感、水分量を追求する

ということが必要になります。

調理時間を少し延ばしただけで食感が変わるので面白いです。

研究冥利に尽きます。 

 

まぁ調理時間を変えるといっても、放置しておくだけなのでド楽勝ですけどね。

 

料理例

前置きはこのくらいにして、最近作った鳥ハムをご紹介します。

今回は65℃で90分加熱したので、

同じ温度帯で作れる温泉卵もついでに作ります。

温泉卵は65℃30分くらいです。

 

鍋やバケツなどに水を入れ、低温調理器をセットし、準備完了。


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時間と温度を設定したら、あとは具材を入れるだけです。


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(背景がめちゃ散らかっているけど勘弁してください。)

 

鶏ももハム

鶏ももに塩と砂糖を全体にまぶし、下味をつけます。

砂糖は下味だけでなく保水効果もあります。

 

1時間ほど冷蔵庫で休ませなじませたら、表面の余計な塩分やドリップなどをキッチンペーパーで丁寧にふき取ります。

(と言いつつ、めんどくさいのでさっと洗いました。)

くるくるっと適当に巻いて、ジップロックに入れて、鍋にイン!
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水流で袋が結構暴れるので洗濯ばさみで留めます。

チャーシューとかを作るときは、ジップロックの中にタレを入れればOK。

全部ぶち込んでください。

コンフィにする時はオイルとニンニクなどを入れてください。

 

浮いてきてしまう場合は皿などで重しをします。

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90分経つとこんな感じです。

(2枚のむね肉をくるくる巻いて入れています。)

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肉によっては赤みがかった汁が表面ににじんできますが、

それこそ低温調理が完成した証です。

上記のミオグロビンが茶色に変性することなく、分散していることになります。

(肉の内部が明らかに生っぽいピンクだったら再加熱必要ですが)

 

特にひもで縛ったりもしていないのですが、

くるくるっとしただけでこんなにきれいに円筒状になります。

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断面はこんな感じ。

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うすーくピンクがかった色になりました。すばらしい。

 

むね肉で鳥ハムを作るときはもっと短時間で構わないのですが、

もも肉など脂が多い部位を使用する場合は、長時間の方が脂が柔らかくなります。

(脂質はタンパク質より熱が伝わりにくい)

つまり、むね肉だっともっとピンクがかったハムが出来ます。

しかし、中心部までしっかり火が通っているのでご安心を。

(もちろん肉の厚さによって調理時間は変わりますが)

 

このままスライスしてもいいですが、表面を香ばしくしたいので炙ります。

フライパンでもいいですが、香りを付けたいのでバーナーで炙りました。

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フライパンだと中まで火が通りすぎてしまうこともありますが、

バーナーだときれいに表面のみ炙れます。

(昔、カツオのたたきをフライパンで作ろうとして、ただの焼き魚になったことがあります。悲しみ。)

 

ひっくり返して、裏側もこんがり焼き目を付けます。

この「ゆびさきトング」は食材がしっかり持てるので便利です。

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そして、今回のとっておき。

ポン酢ジュレ

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ポン酢とウェイバーとレモン汁を寒天で固めたものになります。しゃれおつ。

 

いい感じにプルプルです。

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ゼラチンでも構いませんが、温かい料理だと溶けてしまうので寒天にしました。

 

そして肉に乗せる。
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 完璧。

 

味も神がかってる。

なにより、ちょーーーーやわからい。

素晴らしいですね。

 

ポン酢ジュレの味を強くしたので、下味はもっと薄くてもよかったかもしれません。

 

あとからミョウガ三つ葉を刻んだものも乗せて楽しんだのですが、

美味しすぎて写真を撮り忘れる過ちを犯しました。

温泉卵

低温調理の醍醐味と言えば、

温泉卵を超簡単に作れるところですね。

旅行先のホテルのバイキングで、温泉卵を3つくらい食べておなかがいっぱいになってしまう経験は誰もがしたことあるでしょう。

 

温度と時間を微調整すれば、白身と黄身の固さも自由に調整できます。

65℃30分くらいでこんな感じ。

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写真だとあまり伝わりませんが、黄身は絶妙な固さ。

(写真撮るまでに少しダレちゃってますが)

 

62℃くらいの温度低めで60分くらいだと、

白身がもっととろとろ、黄身はしっかりめ、

とアレンジもできます。

 

サラダやハンバーグとかも簡単にグレードアップします。

まとめ

低温調理はジューシーさを閉じ込めますが、

ホロホロと崩れるような食感にするには適していません。

こちらは長時間煮たり、圧力鍋を使用してください。

豚バラなど脂が多い箇所だとトロトロにはならず、プリプリしている食感になります。

 

なので、

とろとろ食感の角煮

 →鍋でしっかり煮込む

意識の高いラーメン屋で出てくるような、柔らかなチャーシューのような肉

 →低温調理

という感じですね。

一般的に、脂身が少ない肉の方が低温調理に適しているかもしれません。

まぁ正直、好みによるところが大きいですが。

今回の鶏モモ肉もめちゃ美味しかったですし。

 

ハツやレバーはコンフィみたいにすると、とてもふわふわした面白い食感になるのでお勧めです。 

 

 

新しいことにチャレンジすることは労力がかかりますが、

いつもと違ったことを少しだけしてみるだけで、新たな発見がいくつも生まれるのでとても面白いです。

現状維持バイアスを克服するのです!

 

自分が好きだと思っているものも、嫌いだと思っていることも、

それは単なる思い込みかもしれません。

 

ぜひ、低温調理にチャレンジしてみてください!

アマゾンで定期的に開催しているタイムセールで、マイナーメーカー品がめちゃ安くなっていることもあるので、試しに購入してみるのもいいと思います!

 

ということで、良い低温調理ライフを! 

 

 

  

  

 


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